Quon CW 8Lの新規導入で
ダンプ事業が活発化する。

 

平戸急送有限会社様(長崎県平戸市)

登場人物(2025年3月取材当時)

平戸急送有限会社 代表取締役 椿山 修一様

UDトラックス株式会社 長崎地域営業部 営業部長 鮫島 宗吾

UDトラックス株式会社 長崎地域営業部 カスタマーアドバイザー 長野 賢太

平戸急送有限会社・代表取締役の椿山様。社員25名を率いる2代目社長に就任して15年目。全日本トラック協会全国大会で、青年経営者代表としてパネルディスカッションをされるなど、長距離運行に関しての現状と課題に対しての造詣も深い。

カスタマーアドバイザー(CA)の長野(右)。平戸急送様のご担当になって約半年。上司の営業部長、鮫島(左)とともに、平戸急送様へUDトラックスの有意義さをお伝えしている。今後はアフターサービスを軸に、迅速な対応で全幅の信頼関係を深く築くのが目標。

長崎県平戸市に本社を置き、長崎の新鮮な食材を大阪・名古屋の各市場へ、そして東京の豊洲市場へも長距離輸送。近距離では大型ダンプでの土砂運搬を行い、まさに硬軟織り交ぜての事業を展開する平戸急送有限会社様。今回、UDトラックスの8Lエンジン搭載Quon(クオン)CW 6╳4ダンプの新規導入に至ったその経緯について、椿山社長にお伺いしました。

 

物流サービス事業を通じて地元・平戸地域の振興に貢献

(長野) まずはじめに、御社の事業内容について、またその中で大型ダンプを使った事業についても詳しくお聞かせください。

(椿山) 当社は、1972年の設立から今日に至るまで、平戸市を拠点に、長崎県の生鮮食料品を大阪や名古屋の各市場、遠くは東京まで冷蔵・冷凍車の大型トラックを使い、高速道路で運んでいます。メインのお客様は、長崎県漁連。その日の漁であがった魚を漁協が集め、仕分けした荷物を預かり鮮度を保ったまま各市場へお届けしています。また、大型ダンプを使った事業としては近距離輸送で、道路工事や区画工事などで出た土砂や砂利などを、指定の場所まで運搬する業務を行っています。地元・平戸に根ざした事業で、地域の振興に貢献することを企業理念の一部に掲げています。

 

近距離の土砂輸送に特化した大型ダンプで業務窓口を拡大

(長野) 椿山様にはUDトラックスの8Lエンジンを搭載した、ダンプを2台ご発注いただき納車いたしましたが、導入に至った経緯をぜひお聞かせください。

(椿山) 大型ダンプによる近距離輸送事業は、すでに建設されている西九州自動車道の高速道路について、2 車線区間における4車線化工事が始まることを建設業界の方からお聞きしたことから始まっています。知り合いの運送会社の社長からは、「きっとダンプが足りなくなる」という内容を伝え聞き、大規模な公共工事が始まれば長期的に仕事が発生するので、メインの生鮮品輸送とは別のサブ的な事業としてダンプ輸送に取りかかり始めたのがその経緯です。ダンプ輸送を始めた数年後にはコロナ禍になり、長崎県産食材の輸送需要も厳しくなる中で、大型ダンプの台数を徐々に増やし事業を拡大していきました。

(鮫島) 椿山社長とは、UD車両を導入いただく前からのご縁もあり、ダンプ事業を始めることについてもお話を聞いておりました。当初は中古のダンプを仕入れて使われていらっしゃいましたが、8Lエンジン搭載のQuon CW6╳4ダンプに関してもご検討いただきたく、あらためてご説明のお時間をいただきました。具体的には、キャラバン車をご用意し社長に試乗していただき、車両の性能や仕様を含めたご説明はもちろんのこと、UDトラックス全体のブランドイメージについてもお伝えさせていただき、2台ご導入いただいた次第です。

 

大型ダンプのイメージを覆すQuon CWの現場力

(長野) 他社のダンプも導入されている平戸急送様ですが、CWダンプならではの特長など、現場ドライバーの方から何かお聞きになっていらっしゃいますか。

(椿山) 8Lエンジンは軽量・コンパクトながら力強いトルクでパワフルな仕事ぶりを発揮してくれます。排気量が小さくなったのを感じなかったのが率直な意見ですね。ミッションは、マニュアル仕様ではなく、ESCOT–Ⅵのオートマ仕様を搭載。ダンプ仲間の運送業者には、UDトラックスのESCOT搭載車両を試験導入した会社もあり、現場での評価がダイレクトに伝わってきます。「無理なく泥道から脱出できてとてもいい」「クラッチ操作が遅れて坂道で戸惑うようなことがなくなる」「操作がラクになり、現場の情報を得る余裕が出てくる」など。仕事に支障なく、無理なく作業をこなしているとの声が聞けて、不安はなかったですね。当初は「やはりダンプはマニュアルじゃないと」と言う運転手が多くいたことも事実です。当社ではダンプ運転歴25年以上のベテランドライバーも在籍し、マニュアル操作に慣れている方々も多いので、固定観念を抱いた従業員の懸念材料が心配でしたが、導入後は特に問題なく運用できています。今後は、若手や女性のドライバー採用を考えると、運転操作がしやすいオートマ車は、魅力の1つだと思います。

(長野) 私は以前、メカニックを8年間やっておりましたので、その視点からも補足説明いたします。ESCOT–Ⅵは、ぬかるみなど泥濘地からの脱出機能を備えています。クラッチの接続制御の最適化により、車両を前後に揺することができます。微妙な発進や後退は、クリープの微速走行で車両の動きをコントロールすることが可能なので、現場での繊細な運搬操作もラクに行え、ドライバーに無駄なストレスを与えず、気持ち良く現場作業に専念することができます。

12段電子制御式オートマチックトランスミッションのESCOTーVIは、正確で迅速なギアチェンジを実現。素早く滑らかな変速の操作性は、ストレスや疲労を軽減し、経験の浅いドライバーでも熟練ドライバーと同様に、スムーズで卓越した作業を可能にする。

運用コストを明確にしたリース契約の活用で安心稼働

(長野) CWダンプのご購入に際して、車両整備項目をパッケージ化したUD–TRUST(トラスト)にご契約いただいていますが、メンテナンスリース契約を含めたご意見などもぜひお聞かせください。

(椿山) コア事業の大型トラックの購入に関して、今までは銀行からの借り入れやキャッシュ、リースなど色々と試してきた経験があります。今回のダンプ事業では、車両1台が1ヵ月に売り上げる金額というのが、事前にある程度正確に把握できます。やはり新車をキャッシュで導入するとなると、支払い額が大きくなることから抵抗がありましたね。

(鮫島) 導入前に社長から「月々の支払い額をこれくらいで抑えたい」という相談がございました。当社のシステムは、メンテナンス費用込みのリース契約により、毎月のお支払い額を平準化でき、リース料に車検や整備代も含まれているので、コストを明確にできるのが大きな利点です。

(椿山) 鮫島さんに具体的な数字をお伝えしたところ、希望の金額内に収まるとのことでしたので導入に踏み切りました。私の感覚ではある意味、5 年経ったら戻すレンタカーを借りているような感じですね。月々いくらでダンプを借りて、仕事をしているという感覚です。過去には他社メーカーでもリース契約を経験していますが、車両購入・車検・税金やオールメンテナンスの修理代金込みというのはなかったですね。とにかく毎月の支払い額を平準化できるのは大きなメリット。効率的な経営に繋がるので、導入してよかったです。

 

事業のさらなる安定化を目指してUDトラックスが全力サポート

(長野) 最後になりますが、椿山社長が抱えられている現状の経営課題や、これからの企業展望などをぜひお聞かせください。

(椿山) コア事業の長距離輸送ですが、2024年問題のドライバーの連続運転時間改正や、休憩時間の確保が求められ、豊洲市場に新鮮で旬な魚を時間内に届けることが難しくなっています。近隣の同業者には長距離運行を止めた会社も多く、当社も1人のドライバーが東京まで走ることは厳しく、将来的には近距離・中距離運行に切り替えるかもしれません。またダンプ事業に関しては、西九州自動車道が延伸し公共工事がまだ続きますので、そこをメインに続けていきます。当社は、ダンプ事業を始めて5 年以上になり、仕事ぶりが認められ受注も増えてきました。このまま安定して仕事を増やし、地元・平戸地域に対して着実に貢献することが大前提だと考えています。

(長野) 当社のCWダンプをご愛顧いただきありがとうございます。私がCAとしてご担当を受け持つようになりまだ半年の期間ですが、元メカニックとしての知見をフルに活かし、今後も平戸急送様のビジネスのさらなるご成功に向けて、お役に立てる提案をいち早くご用意し、経営課題解決のお手伝いができましたら幸いです。椿山様、本日は誠にありがとうございました。

「Historical Island Firando」のマークは、平戸市が観光支援として作ったマーク。オランダ人による南蛮貿易の国際交流で、平戸が栄えていた時代を象徴している。平戸急送は平戸市に許可を得て、自社保有車にマークを貼付。遠方で平戸出身の方が懐かしさで、ドライバーに声がけすることもあるそう。

平戸急送有限会社:平戸市を拠点に、長距離トラックによる大阪・名古屋・東京の各市場へ鮮魚や青果、冷凍食品などの生鮮食品輸送をコア業務としている。近距離では大型ダンプでの土砂や砂利、木材、重機の運搬など。長距離運送から近距離輸送まで幅広く運営し、顧客へ最高のサービスを提供。安定した経営基盤を築いている。

長崎県平戸市田平町下亀免304-1